住まい造りは、本来、子育て初期(ご出産後から幼稚園入園前)から実現することが理想とされています。
とは言っても、土地購入から始める方々にとっては、土地代金を含めると、その額は、数千万もの費用が必要となります。
都心部では特に、ご両親様からのご支援がない場合は、住まい造り計画時期は、ますます遠のく事となってしまいます。
今回投稿しますブログは、将来、戸建住宅の住まい造りご計画される方々が、漠然と住まい造り計画を進める事から、一歩前進し、より具体的に計画が進展し、貴方が理想とされる住まい造りを『間取り図』としてご提供する事から、『住まい造りの間取り図と費用を具体的な数値で把握する事を目的』に投稿するものです。
1.初めに
今回、ご提案する藤野貞雄『MY HOME-STYLE住まい設計工房』東京がご紹介する間取りは、4人家族を前提に、ご家族のみが生活される最低限のコンパクトな間取りとし、建坪(1階の床面積)が44.64㎡(13.5坪)の総二階建てで、述べ床面積(建物全体の床面積)を約90㎡(27.0坪)とし、建物本体の費用を最小限に抑える事を目的に間取り作成しご提案します。
貴方の住まい造り計画が、少しでも早く着手され、ご家族の皆さんご一緒の理想の暮らしが、少しでも永く続かれる事を願い、投稿させて戴きます。
現在、貴方が月々の家賃を7万円以上払っている場合、土地代は別(地域によりかなりの価格差がある為、別途課題とします)とし、広さ30坪の住まい造りは可能ですし、土地の手当が付く方は早急に実施すべきです。
一般的に言われる坪単価(建物総工事費を建物全体の坪数で割った床面積)は、建設される地域や施工される工務店様の仕入能力(仕入価格交渉力)から違いはありますが、木造一戸建ての場合で、一坪当たりの目安金額は50万から60万前後です。
これを今回ご提案の間取り図の述べ床面積で掛け合わせると、土地を除く建物本体の工事費は、1,350万から1,620万の範囲となります。
仮に、『借入総額1,500万で金利3%、返済期間25年、ボーナス併用払い無し』で計算すると、毎月の返済予定金額は、¥71,132(お家賃並み)となります。
今回、ご提案する間取り図は、決して『狭小敷地』に対する間取りではなく、高度成長期(1955年から1973年))に、都心部などで多く販売された建物間口5.5mを基準とし、土地情報や中古物件情報でも、多く売りに出されている南側間口が9m以下の土地での設計を進めました。
最近の都心部で販売される間口は、住宅があり余る状況下でも、更に間口は小さくなる傾向にあります。一つの住まいの見方として、間口の減少はそのまま、住まいの陽当りの悪さに影響しますので、注意が必要です。
それでは、これから具体的な本論に入りましょう。
2.この間取りの全体設計方針
①1階は、家族が共有して使用するリビング、ダイニング、キッチンと水廻りとし、水廻りは少しゆとりの設計(広めで通風・採光に配慮)です。一般的には、戸建住宅の場合、1階がパブリック階(家族が集まる部屋が配置される階)となり2階が主寝室や子供室などの個室階になる傾向です。
但し、南側隣地と距離が無く、境界線が迫っている場合などは、1階の陽当りが悪くなりますので、2階をパブリック階として計画する場合も有ります。
②2階は、主寝室、子供室2室、WC(洗面付)とし、廊下から使用可能な共有物入を設置しています。屋根形状と予算によっては、ロフト収納も可能です。
【ご注意】(間取り図は、閲覧可能ですが、ダウンロードは出来ません。当方からデータか印刷物で送付致します)
3.この間取りの適応敷地
①接道(敷地に対する道路の位置関係)は、東側が一番適切です。敷地の間口によっては、玄関迄の通路が確保可能な場合は、南北側道路でも可能です。
②敷地の間口は、2階主寝室の西側に出窓を設けており、民法上で『建物の外壁は、隣地境界線から50㎝以上離す』ことが義務付けられています。その為、西側は建物外壁から1,025㎜離し、東側は自転車等を配置した場合を考慮し、約2000㎜離すと、建物間口の5,460㎜を加え、合計で約8,500㎜となります。
4.この間取りの詳細設計指針
玄関|コンパクトな最小限な広さです。下駄箱は玄関扉を中心に南側は天井迄の収納として、北側は上下の収納にし、その中間部は飾棚に通風と採光を考慮した窓を取り付けています。ご来客が多いご家庭では、狭すぎますのでご注意下さい。
リビング・ダイニング|収納庫を除き11帖の広さを確保。西側には、TVボード、収納庫(掃除機など収納)、食器棚を兼用し造作家具で作り付けします。入口は本来は図面とは逆の勝手のほうが部屋から出る際には良いのですが、来客時に室内が丸見えとなる為に逆にしています。ソファーと食卓は4人掛け以上の大きさの物が配置可能です。窓開口は、南面に大きな欄間付窓を設置し、更に東西面には通風用の小さな窓を各面二箇所設置し自然な通風を確保しています。
キッチン|5帖あるキッチン間口は2,700㎜迄配置可能です。背面にはカウンター式の食器棚が間口2,700㎜迄配置可能です。腰高部には、洗面所への通風を考慮し開口部を設置し、勝手口(通風機能付き)と南面窓からの通風が望めます。冷蔵庫は、リビングからの使い勝手を考慮しキッチン入口側に配置しました。
対面キッチンの開放型ですが、キッチン入口や対面カウンター部には扉を設置し、臭気拡散を予防することも可能です。
来客時は、キッチン扉(引戸)を開閉すると中が丸見えとなりますので、LD扉からの出入りを優先します。普段の生活では、ユーティリティーへの短い移動を考慮し使用します。背面にはカウンター式の食器棚が間口を小さくし洗面所への入口を確保する事も可能です。
浴室|洗面・脱衣室の同時使用を優先し広くした為に、奥行は有効1,500㎜の在来工法(ユニットバスではない各業種毎に手造の浴室)としています。二箇所窓を設置し、換気扇を使用しなくても、極力自然な通風を考慮します。マンション用のユニットバス転用も可能です。
洗面・脱衣室|洗濯機を奥側に配置し、洗面と脱衣の同時使用が可能です。化粧台は間口1,500㎜のリネン庫付が配置可能。通風を考慮し入口は開放可能な引戸とし、更にキッチン側間仕切壁にも通風用の開口部を設置しました。
トイレ|階段下を有効利用したコンパクトな手洗器独立(ロータンク付きではない)タイプです。スリムですがカウンター付ですので、ご来客の方はポーチなどを置く事も可能です。
【ご注意】(間取り図は、閲覧可能ですが、ダウンロードは出来ません。当方からデータか印刷物で送付致します)
階段|家庭内の事故発生率が高い階段は、事故発生を予防する為に、折返しの階段としています。踊り場には通風を考慮し窓を設け、更に二階の階段脇の廊下にも窓を設け、空気の温度差による対流式通風を配慮します。
子供室|どちらの部屋も5帖以上の広さとし、クローゼットと本棚を造作家具とし地震時の対策を講じます。窓は南面と東西の両面に設置し、自然な通風を配慮します。
主寝室|6.7帖の広さに奥行60㎝のクローゼット(間口2,275㎜)と奥行90㎝のクローゼット(間口1,820㎜)を設置。子供室から離れた独立性を考慮しました。通風は西側出窓からと北側窓から二箇所を確保し、更に天窓を設け落ち着いた採光と通風を確保します。
WC|コンパクトな有効1200㎜四方の広さです。洗面機能を備えていますので朝夕の使い勝手が便利です。排水は1階の下駄箱内部を利用します。
収納率|不要な物を捨て整理することも大切ですが、『MY HOME-STYLE住まい設計工房』では、収納庫(押入・物入・クローゼット・下駄箱・本棚等の合計面積)面積をその床面積で割った値を『収納率』と定義し、その値が8%から10%を目標値とし住まい造りの目安として設計しています。
レンタルトランクルームで人気のキュラーズ様も、都心部を中心に、住まいの収納庫面積が減った事が、契約件数拡大の人気の背景にある事を某TV局の番組で放映していました。
今回のご提案間取りの収納率は、『10.60%』ですので、恐らくキュラーズ様との契約は不要の見込みです。
5.この間取りの欠点
①ご来客が多いご家庭では、玄関のスペースが狭い為(奥行・間口ともに)にお困りになる場合があります。ホールクローク(コート収納)がありません。
②階段下トイレですので、昇降時の足音が気になる場合があります。
③LD入口扉の使い勝手は、室内出入時の室内視線への配慮が優先されており、使い勝手が良くありません。
④洗面脱衣室は、広さは幾分確保されているが、配置は広さを感じにくい間取りです。
⑤2階に洗濯物を干す際には、子供室を通過せざるを得ない為にお子様のプライバシーに影響する場合があります。
⑥西側子供室への荷物の出し入れ時に、形状等によっては、出し入れ出来ない場合があります。
⑦ご家族のみの生活を前提のコンパクト設計の為、ご両親・友人様が宿泊時の予備室が無い。(必要時は6帖+物入で約4坪必要)
⑧全体として、暮らしを楽しむ要素が足りない。(例えば、浴室の広さは充分だが入浴を楽しむ提案要素が無い)等
6.まとめ
今回の投稿では、工事費に直接影響する要因である、工事面積(数量)を節約削減する方法として床面積の幾分少なくする方向で、低予算(極力仕様は下げない方法で)で実現可能な間取り図をご紹介しました。
床面積を少なくする方針でも、不便さを感じたり、ストレスを感じるほど仕様変更や数量削減を試みても、決して皆さんが望まれる理想の住まい造りが実現する訳ではありません。また逆に、広ければ良い住まい造りが実現可能という訳でも決してありません。
今回ご紹介の間取り図を元に、本ブログを訪れて下さった方々が、『ご自分の理想の家造りとその乖離』をご確認され、少しでも貴方がお考えになる住まい造りが進展することを願い考え方の元となる基本の間取りをご紹介させて戴きました。
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~★~★~※ここ迄お読み戴き、大変ありがとうございます※~★~★~
※一歩ずつ、少しずつ、確実に、貴方の住まい造り計画が前に進み、理想に近づく事を願っています。