住まいづくりは、そこに住まわれるご家族の為に計画されますが、多くの方がお悩みになる事が、『ご来客の為のお部屋を作るか否か』ではないでしょうか?
都心部でシティーホテルやビジネスホテルで代用が可能な場合は別とし、そうでない場合は、できれば欲しいご来客用のお部屋ですね。
一般的なご来客用のお部屋は、1階に和室として造られる場合が多いですが、今回投稿のブログ、間取りシミュレーション(ご提案間取り)では、敢えてご来客用のお部屋が2階で、建設コストを抑える為に総二階とし、出来うる限り無駄な面積を排除しながらも、 ご家族が共有される水廻りとLDKに少しゆとりを持たせた広さとし、各個室はコンパクトな広さで、収納庫の充実を図った、総二階、延べ坪28.01坪、南側建物間口が6.37mの間取りとなります。
坪単価が60万とした場合、建物本体で約1700万弱の工事費となりますが、読者の方々がご覧になられて、この間取りのご評価は如何でしょうか?
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【ご注意】(間取り図は、閲覧可能ですが、ダウンロードは出来ません。当方からデータか印刷物で送付致します)
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1.初めに
建築費用を抑える手法は様々ですが、一つの方法として誰もが分かりやすい手法が、お住まいの面積を制限し、極力小さめのお住まいづくりをご計画される事が唯一の方法となります。
更に、基礎工事や屋根工事が比較的に少ない傾向となる総二階建を採用する事で、建設費用削減を図っています。
実際には、同じ坪数であっても、部屋数、収納庫の数と形態、窓の数と仕様、仕上げ材の種類等で、その額は変化しますが、総ての工事費の基準が、『個数・面積・長さなど』の数量となります。
このブログは、狭小敷地の狭小住宅を目的にした住まい造りではなく、またローコスト住宅を目的に投稿したものでもありません。
一般的な住宅の広さで、個室よりも水廻りとご家族が集うLDKの広さと、収納庫の確保と使い勝手に焦点を当てた、間取りご紹介シミュレーション(ご提案間取り)となります。
2.『MY HOME-STYLE住まい設計工房』の仕様とは
ここでは、『MY HOME-STYLE住まい設計工房』の設計手法として、住まい造りの仕様に関して、間取り造りに関する一部の仕様をご紹介致します。
特性①|個室出入口扉、収納扉などは使い勝手を優先しています。その為、同じ広さの収納庫の場合は、扉の枚数が増える傾向にありますので、建築コストは高い傾向となります。
特性②|子供室の最小面積は、基本を4.5帖以上としプランニングを検討しています。模様替え(レイアウト変更)可能な広さとし、お子様の成長や季節による変化を楽しめる事も必要との考え方を前提としています。
⇒今回投稿のブログでは、造付け収納を確保し、よりコンパクトな4帖弱の広さを検証しご提案しています。
特性③|主寝室の最小面積は、基本を7.0帖以上としプランニングを検討しています。また建築コストが高くなる傾向ですが、メーカー既成品の出窓は断熱性能が低い為に、在来(大工さん始め各業種が関わる工法)による手作りの出窓形式を選択しています。
⇒今回投稿のブログでは、主寝室とリビングの出窓の効果を比較し、リビング出窓の開放感を優先しています。
特性④|浴室は、一般的な間取りでよく見かける、一坪(畳二枚の広さの柱芯間寸法1,820✕1,820㎜)は、洗体時に石鹸泡が浴槽内に飛散する為、最小サイズ1418(奥行1.400✕幅1,800㎜)以上を基本とし、余裕がある場合は1620サイズをお薦めしています。
特性⑤|トイレの扉が外開きが多い傾向にありますが、出入りする際の安全性を優先し扉に細工(事故時の救出が可能な細工)を施した内開きとしています。広さは基本を最低限畳1枚(柱芯間910✕1,820㎜)以上とし、手洗器を独立させた仕様としています。
3.この間取りの全体設計方針
①計画敷地は、一般的に販売されている南側間口が比較的狭い、間口約8.5m以上とし、駐車場スペース二台分を計画敷地の北側と東側に確保した配置計画としています。
駐車スペースが一台分で良い場合は、掲載図面よりも更にオープンな外構として北側接道の敷地間口8.0mで計画可能です。
朝日が差し込む南東側に面してダイニングを配置し、その繋がりの空間として南西にリビングを配置しています。
②水廻りは、少しゆとりを持った広さとし、極力集中配置で配管工事費等を節約する工夫を施しています。
③日中は、極力、照明器具を点灯せず生活可能なように窓等を配置しています。
④基本的に、各空間で収納は1カ所以上を確保し、綺麗に片付く住まいを実現可能としています。
⑤『MY HOME-STYLE住まい設計工房』では、収納率(床面積に対する収納部面積の割合)目標値を最低8%~10%としています。
今回の『間取り|間口6.4m戸建総二階延28坪4LDKリビング階段北玄関』は、9.82%となります。
4.この間取りの適応敷地とは
①接道|(敷地に対する道路の位置関係)は、北側道路が適切となります。
北側敷地の境界線側に余裕がある場合は、西側道路の接道でも対応は可能となります。
②敷地の間口|建物間口が6.37mあり、西面に出窓(出幅455㎜)を設置している為に、民法上の配慮(建物の外壁は、隣地境界線から50㎝以上空ける事)をすると最低でも8.0m以上の間口が必要となります。
5.この間取りの詳細設計指針
|玄関|
- 間口1365㎜の幅で、親子扉(普通の大きさの扉と小扉が二枚セットとなる物)を設置し、奥行2275㎜のコンパクトなスペースですが、住まいの格式と使い勝手(幅が大きな物の出し入れし易さ)を配慮します。
- 正面壁にはニッチ式の飾棚を設置し、おもてなしを演出します。更に姿見を設置し身繕いを支援します。
- 玄関扉上部は、欄間式とし夏の通風孔とします。
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|シューズインクローゼット|
- コンパクトな奥行ですが、畳1.0帖強の広さです。
- 履き換えたサンダル等が玄関に無く、玄関が綺麗に片付く必須アイテムです。
- 固定棚と可動棚を収納物によって使い分けします。バッグ類なども収納可能です。
- 臭気対応として、換気扇とは別に窓による自然な通風を確保します。更に、壁の仕上を、臭気吸着機能を備えた、エコカラット等で仕上げるとより効果的です。
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|トイレ|
- 畳1.0帖強の広さです。
- 階段下でコンパクトな独立手洗器を設置しています。
- 手洗い器はカウンター付きとし、来客用のポーチなどが置かれる配慮がされています。
- 扉は、緊急時の救護可能な細工を施し、内開きとしています。
- 右利きの方が使い易い紙巻器の位置(便器正面左手)となっています。
- 使用中のシルエットが窓に映らないよう、窓の位置は、便器正面ではなく壁際とし、上下階同じ配置です。
- 階段下部分に奥行455㎜×幅910㎜の収納庫を確保します。
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|リビング・ダイニング|
- リビングは7帖。ダイニングは約4.5帖の広さです。
- リビングは西向きの為に、夏の西日対策とし、前面が壁形式の出窓を採用し、広さの演出も兼ね備え、両サイドには、通風と採光を考慮した縦長の窓とします。
- リビングのソファーは、コンパクトなL型が配置可能で、ダイニング側に向かって座り、広さと開放感を味わえる向きとします。ご家族間で向かい合った会話が弾みます。
- ダイニングは、6人掛け用の長さ1800㎜サイズが配置可能ですので、御来客時でも、ゆったりとお食事ができます。
- ダイニングの東側壁面には、造り付の収納庫を設置し、掃除機や衛生用品、食器類などご家族共有の物が収納可能です。
- 対面式キッチンとの境壁には、ダイニングから使用可能な、ご家族のお箸や箸置き、テーブルウェア―が収納可能な細工を施し、常備される調味料等も収納可能です。
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|キッチン|
- 約4.0帖の広さです。
- LDK入口側に位置し、出入時のキッチが丸見えとなるのを避けるために引戸を設置します。
- キッチンの長さは正味2550㎜以上が確保可能。振向いて一歩の距離の背面カウンター式収納庫(下部はゴミ箱置き)で、配膳・調理作業を補助します。ご家族やご友人との共同作業も可能な広さです。
- パントリーコーナーを特別に設置せずに、収納庫の両端は奥行きが浅い収納庫とし、パントリーを兼用します。
- 大型冷蔵庫は、リビングで寛ぐご家族にも使い易い様に、キッチン入口側に配置します。この位置の場合は、ご来客時でもリビングからは見えない位置となります。
- セミオープンが臭気等の問題から気になる方の場合は、ダイニング側の開口部に引込戸を設置する事も可能な間取りです。
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|洗面室+脱衣室|
- 2.5帖弱の広さです。洗面と脱衣の同時使用が可能な空間です。
- 洗面化粧台の間口は、有効1200㎜あり、キャビネットは三面鏡仕様が選択可能な間口です。三面鏡でお顔のサイドが見え、より使い勝手が良くなりヘアースタイル確認も楽になります。
- お化粧時の色間違いを起こさない為に、サイドから自然光が取り入れられる設計です。廊下側袖壁にはズームミラーを取付ける事も可能です。
- 大型のドラム式洗濯機が配置可能です。リネン庫と着替え用の室内着を置く事ができます。
- 洗面室との仕切りは、ロール式ブラインドか衝立を使用します。
- 湿気が発生し易い空間ですので、扉はガラリ戸がお薦めです。可能な範囲で、窓を開放し自然な通風を確保します。
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|浴 室|
- サイス゛1620のユニットバスが配置可能です。
- ユニットバスのメーカーにより窓の位置の規制がありますが、図面表記の東側窓以外に、北側の洗い場の脱衣室側にも窓の設置は可能な場合が有ります。
- 自然な通風を考慮すると、換気扇の利用もありますが、窓は二か所が乾燥・清潔な面では理想的です。
- スペースとしては、畳2.5枚の広さが有りますので、在来工法の浴室で、お好きな入浴スタイルを楽しむ事も可能です。
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|階段室|
- 『MY HOME -STYLE 住まい設計工房』が推奨する、昇降時の危険度が幾分軽減される、廻段5段の折返し階段です。
- 階段の上下を下はトイレ、上は収納庫として活用しています。
- 特に、この間取では、階段昇降時の事故を予防する為に、階段の直線部では、踏み面が270㎜(通常は227.5㎜なので42.5㎜踏み面奥行が広い)を確保した階段です。
- 全16段(通常は13段前後)の階段とし、蹴上(階段1段の高さ)も通常の高さ以下の安全で昇降し易い階段設計となっています。
(階高[1階と2階の高さは]個々の設計で異なります。) - リビング階段の欠点と言える、冬季暖房時の暖気が二階に抜けるのを防ぐ為に、昇り口の袖壁は透明な樹脂板で仕切り、更に天井には昇降式のロールスクリーンを設置します。
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|2階トイレ|
- 約1.25帖の広さです。
- 扉は、緊急時の救護可能な細工を施し、内開きとしています。
- 手洗器は独立させ、ゆとりのレストルームとしています。
- 右利きの方が使い易い紙巻器の位置(便器正面左手)となっています。
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|主寝室|
- 変型8帖の広さです。
- 間口1間(柱芯間1,820㎜)のクローゼットが三ケ所配置されています。クローゼットは、収納される衣類が吸音材の役目を果たし、隣室(子供室)との遮音効果を兼ねています。
- 本来は、主寝室にもお薦めしたい出窓は、費用削減を優先し取りやめ、安価な引違窓とし、遮熱遮光カーテンを取付けます。
- 寝室内を経由し、バルコニーで物干が可能です。
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|子供室:共通|
- コンパクトな広さ(有効短手2130㎜×長手2585㎜:柱120角の場合でプラスターボード下地12.5㎜)で、最低限のスペースです。
- 二部屋の中間に、造作工事で本棚とクローゼットを造り、長さ2100㎜迄のベッドが配置可能な間取りです。
- 東西方向枕のベッド配置を含めた模様替えも可能です。(クローゼット扉を4枚折戸に変更の場合に限る)
- お子様が小さいうちは、広いお部屋として利用し、リフォーム時に中間に本棚とクローゼットを取付けるのも方法です。
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|和 室|
- 4.5帖の広さです。
- ご来客向けの宿泊可能なコンパクトな空間です。
- お布団は三つ折りで収納し、二組収納可能です。
- 西側に配置されていますので、窓硝子は遮熱硝子を採用し、内障子も併設します。
- 小さいですが、床を配し季節のお花などの飾付を可能としています。
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|2階廊下|
- コンパクトな最短の長さとなっています。
- 階段室西側の縦長小窓から採光しており日中は照明不要です。
- 夏、室内にこもる暖気を上昇気流に乗せ、通風を図る為に、開閉可能なトップライトの設置をお薦めします。(北側屋根ですので、落ち着いた採光が可能です)
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|収納率|『MY HOME-STYLE住まい設計工房』では、収納庫(押入・物入・クローゼット・下駄箱・本棚などの合計面積)面積をその床面積で割った値を『収納率』と定義し、その割合が8%から10%を目標値として住まい造りの目安として設計しています。
今回の『間取り|間口6.4m戸建総二階延28坪4LDKリビング階段北玄関』は、9.82%となっています。
6.この間取りの欠点
①接道面である北側のデザインは、2階の窓を安価で勝手が良い引違窓とし、1階は、縦長の開き窓とし階数で窓の配置と統一性を持たせているが、東西面の窓等は、室内の使い勝手を優先してい入る為に、上下階で窓の位置と形状が揃っていない。
対策|予算の確認を前提に、予算があれば、浴室を在来設計とし窓位置を合わせ、更に、和室西側にも出窓を設置する。
②2階子供室の収納庫(クローゼット)が、少し少ない。
対策|予算を前提に天井懐がある、廊下から使用可能な天井裏収納を確保する。
③1階の収納庫が少ない。
対策|予算を前提に、ソファーを一時的に移動して使用可能な、階段下ストック用収納庫を確保する。
④南側が来客用のスペースとして成り立っている。
対策|南側和室を子供室に変更する事は可能です。その際は、北東のお部屋を和室とし入口を引戸に変更し対応します。この間取シュミレーションでは、子供室を同じ条件で設計する事を優先しています。
7.まとめ
今回のご提案間取りでは、多くの方々が住まい造りの広さの目安とされる延床面積30坪(100㎡)前後の住宅を前提に、建築費用が幾分低減される総二階をテーマに、水廻りとLDKと収納庫が充実した間取り提案をしました。
今回のご提案間取りから、28坪規模の総二階の住宅では、子供室をコンパクトな4.0帖を基本にした場合、予備室(宿泊者向け部屋)の4.5帖(二人宿泊)を2階に設置する事は、可能となる事がご理解戴けたのではないでしょうか。
1階に、予備室の和室を配置する場合は、建坪(1階の建築面積:建築基準法で定められた面積で床面積とは異なります)は、今回の建坪14.03坪(46.38㎡)に予備室面積(例えば6.9帖+押入ほかで最低でも3坪)を加えた、約17.0坪以上が必要な建築面積(建坪)となります。
この間取りの計画敷地面積(必要な土地の面積)は、最低限でも建ぺい率(建築面積の敷地面積に対する割合)が50%の場合で約29.0坪以上、60%の場合で約24.0坪以上の敷地面積が必要となります。
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~★~☆~※ここ迄お読み戴き、大変ありがとうございます※~☆~★~
※一歩ずつ、少しずつ、確実に、貴方の住まい造り計画が前に進み、理想に近づく事を願っています。