住まいの飾付?と言っても小物から季節の祭事や誕生日会など様々ですね!
皆さんは、日々の暮らしの中で、住まいの飾付を楽しんでいらっしゃいますか?
ご自分の好みのアイテムを愛でる、自作の逸品を愛でる、思い出の写真や品々を愛でるなど見ているだけでも、心が和む事ってありますね。
今回の投稿は、そんな些細だけれども、そこに住まう方々の暮らしの楽しみやお人柄がにじみ出てくる、住まいの飾付に関するブログ投稿です。
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1.はじめに
分譲マンションや建売住宅では、残念ながら、工事費削減や細工の手間から、見かける機会が次第に少なくなりつつある、お住まいの飾付コーナー。
このブログの読者の「貴方は、想い出の品や写真をどのようになさっていますか?」
ある方は、収納庫の中、ある方は押入の段ボール箱の中、またある方は、ガラスケースの中に綺麗に並べて、毎日愛でていらっしゃるかもしれません。
このブログでは、単に壁などに物などを貼ったり、吊るしたりする飾付ではなく、住まいづくりの中で、暮しを楽しむ要素としての『住まいの飾付』に関する手法と具体事例をご紹介し、これから住まい造りのご予定がある方々に、暮しを楽しむアイテムや手法としての飾付の価値をご紹介させて戴きます。
2.ご提案①|住まいの飾付専用コーナーを設置する!
住まいの飾付の場所の候補としては、ご家族皆さんが常に利用される空間の①玄関、②廊下、③LDKのどちらかに欲しいものですね!
日々、忙しく生活に追われる毎日。
暮らしの中のほんの少しの『ゆとり』が、きっと貴方の心を『ゆたか』にしてくれます。
その具体的な方法は、以下の写真のように壁面の一部をくりぬき、飾付コーナーとする事です。
壁面をくりぬく飾付コーナーは、できれば照明付きで飾ると、より一層効果的です。
以前、ご夫婦お二人のマンションリフォーム提案時の初回打ち合わせで、お客様のお宅に伺った時、玄関の壁にピンで小さな飾りつけが数点してありました。
「きっと飾りつけがお好きなお客様だろう?」と想像していましたが、やはり想っていたとおり、
お客様のご要望の中に「玄関に、荷物を受け取る時の印鑑を収納できる場所と飾りつけをする場所が欲しい」とのこと!
打合せでは、迷わずに壁面をくりぬき、カットガラスの棚板(コスト削減のため既製品を使用)を二段設けて、最上段にはピンスポット(光の幅が狭く小さい灯り)埋込照明をつけ、飾る物を照らせるようにしました。
完成後に拝見させていただくと、印鑑は素敵なジュエリーボックスに収まり、玄関の印象だけで、そこにお住まいの方のお人柄をうつしだす空間に大変身!
伺えば、すてきなジェリーボックスは、リフォーム後に、ご主人さまと一緒にお買い物で購入されたとのこと。リフォームを機会に、新たな楽しみが増えたとのことをお聞きし、建築士として、このうえない喜びでした。
3.住まいの家具や収納庫の一部を飾付コーナーとする!
当然ですが、以前にご紹介しました、オーダーの造作家具がその威力(飾り付けに対する灯りの工夫など)を発揮することは言うまでもありません。
特に、小物の飾りつけは、奥行が浅い本棚(文庫本から単行本など収納可能な)程度の奥行きを活用したほうが素敵な飾りつけが可能です。
左写真のコレクションボードなどを購入され、お気に入りのお部屋に飾付することも一つの手法ですが、お部屋のコーディネートの一環として、飾付をされる場合は、個々のコレクションボードを配置されるより空間もすっきりし、お掃除の時も楽にお掃除できるメリットがあります。
壁厚を利用し埋込収納とした例。
今お持ちの物や、先々の事を考え
少し、余裕をもって計画しましょう。
空間と飾付をトータルにコーディネートする一つの手法は、やはり造作家具(寸法から構成素材や使い勝手迄、使う方の意向を反映した注文家具の事)がベストな対応ではないでしょうか?
4.できれば和室か畳コーナーを確保する!
椅子に腰かける洋風の生活が一般的となりましたので、和室がある中古マンションのリフォームでは、和室を洋室にリフォームする事例が、マンションリフォームのご要望の中で多いのが実態です。
ですが、床に座り節句の人形を眺めるのと、椅子に腰かけ眺めるのとでは、その違いや妙味の差は歴然です。左の写真は甲冑武者の五月人形を上から眺めたものですが、皆さんはどう感じますか?
最近は、マンションリフォームは当然のこと、新築の一戸建ても建築費用や面積に制約があり、和室や畳コーナーの確保は難しいのが実態です。
でも、費用は若干かかっても、例えば、主寝室を少し広めにとり、畳床のコーナーが設置できる場所を確保し、普段は収納可能なベッドを壁面に造りつけにする事で、祭事やホームパーティーなどのイベント時にだけ、寝室を和室として利用するするのは、経験された方のみが知る和室の重宝さではないでしょうか?
タタミがある空間!少しお行儀が悪いですが、ある提案では、LDKに畳コーナーを設置してほしいとのお客様との打合せで、「寝ころんでTVをご覧になりたい!」とのご主人様のご要望でした。
ベッドやソファーに寝ころぶのと畳に寝ころぶのとでは、床の畳の感触や独特のにおいの効果(沈静作用)が大きく違い、段差が少なく移動や収納も可能な、『タタミマット』をご提案し工事しました。
新築・リフォームを問わず、住まい造りを計画する時は、是非お客様ご自身の今の暮らしや、新しい想いや理想の暮らし方を、楽しむ事を大切になさってください。
最近は、畳マットなど、持ち運びや収納可能な畳が造られており、フローリングのお部屋に3帖から4.5帖の畳コーナーを希望される方も増えてきています。板の間と同じで、畳の床も寝ころぶには最適な素材ではないでしょうか? 素材に触れ、沈静作用があるその臭いなども独特の仕上材を住まいづくりに使用する日本人である事に、時折歓びを感じるものです。
5.具体事例にみる4つの表現手法
5-1.壁をくり抜いた飾付の規則的な表現
- 壁の素材(仕上げ材)で一体的に壁面をくり抜き、中の飾りつけを楽しむ場合
- くり抜きの下端(したば:下部底辺の事)のみ強調し区切りをつけた場合
- くり抜き箇所夫々をはっきりと枠等で囲い、区画して飾付をした場合
5-2.壁をくり抜いた飾付に照明等の工夫を凝らした表現
- 凹部内に置いて飾る、掛けて飾るなど飾るものにあわせた飾付
- 視線の高さの蛍光灯の灯りにあわせ横幅のあるイラストや絵画などの飾付例。
- 白熱灯の暖かな灯りにあったもの(グラスや人形など)の飾付
5-3.壁とくり抜いた面との仕上げ材を変化させ凝った表現
- 陰影が出るタイルを凹部壁のアクセントとし、上部に灯りを埋込む飾付。壁全体が照らされるように灯りの種類と位置を工夫するともっと素敵になります。
- 一面タイル壁の視線高部分の一部壁をくり抜き、凹部の飾付を引立たせる工夫。初めの①とは逆の造りになっています。費用は、②の方が高額となりますが読者のお好みは如何でしょうか?
- 壁紙(ビニールクロスなど)の場合、テレビ裏面は、TVの熱や静電気などで黒ずみ熱焼けしやすい周辺の壁をタイル壁とし、TV厚分の壁をくり抜き、陰影ある壁を味わいながらTVを鑑賞する、少し手が込んだ飾付となっています。
- ガラス表面処理した品のあるガラス壁と格調高いクラフト(表面に凹凸があり表情がある)タイル壁を調和させ、凹凸あるクラフトタイル調の灯り付の大きな凹壁に、飾り棚を設置した飾付。費用も掛かりますが、気品と風格を感じ全体の壁の存在感が引立ちますね。
- 前述3項と同様に凹んだ壁にTVと飾棚を設置した飾付方法。下側にはカウンターも設置されており使い勝手とデザイン性を上手く調和させていますね。
5-4.コレクションを楽しむ飾付の表現
- グラスのコレクションを飾付した事例。壁に鏡を貼り更に棚板もガラスにする事で、グラスの輝きが楽しめる工夫がされていますね!
- 人気が高い鉄道ファンのコレクション。好きなものに囲まれての暮らしは、多くの方はとても楽しいことでしょうね。
- 旅の記念品や趣味の小物を引立たせる工夫が凹部壁の白いタイルですね。白色は無彩色ですが、その中にあるものの色や形を引立てる色としてビジネス時のシャツに代表される色ですね。かの往年の男性スターの「アラン・ドロン」さんは、オシャレでも有名ですが、「私が一番好きな色のシャツは、白です!」と言われていたのを、何かのTV番組で聞いた記憶があります。無彩色の白色は、有彩色を際立たせる役目を持っています。
- 大きくゆったりとした壁面に趣味の小物が飾付されていますね。バックライトが埋めこんであり、夜になると更に印象深くなる飾付ですね。
②オープン式の飾棚は、埃が溜まる為に、忙しい方には不向きです。扉をガラス製の開き戸か引戸にする事をお薦めします。
③造作家具は、扉や棚板の面材の種類などで価格は大きく上下します。大切な点は、機能を優先した家具の基本を設計し、面材等は、費用に合わせて適宜調整する事が重要です。
6.まとめ
住まいに人が住み、暮しをいとなむという事は、そこに住まわれる方々の人生の履歴を刻む事とも言えます。全国を転々とする国家公務員の方、民間の企業に勤め転勤族を楽しまれる方、その土地の魅力に魅かれ、一定の地域に住まわれる方々など、人は皆、夫々の人生を楽しく行きたいと望むものです。
子供の頃に夢中になった事を大人になってから本格的に取り組むなど、生きてきた証として、貴方の貴重な思い出やなどを積極的に楽しむ為にも、住まいを飾付し、楽しい居場所、ここちよい住処にしましょう。
飾付がお好きな方はこれからも継続され、今まで飾付に関心が無かった方は、これを機会に今のお住まいやリフォーム後のお住まいに飾付をされると、きっと元気が出て、住む方を励ましてくれる楽しい住まいを実現できるのではないでしょうか?
毎日の暮らしを楽しくする工夫!?それは住まいの飾付の工夫にも有りますね!
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( 編集後記 )
我が家のリビングには、ガラス扉製の飾り棚収納が有ります。
中央部分にTVが入り見るようになっています。
その既製品の飾り棚の唯一の欠点が、TVやオーディオ等を収納できる仕様なのですが、それらの機器接続コードが短すぎ、かつ一カ所の小さな穴から線を通すために、大変繋ぎにくい点です。
最近は特に大型のTVが増え、家具の一部に組み込む事例が増えてきたので電源コードは幾分長めになってきていますが、家具や建築物に電化製品を組み込む場合は、電源コードの長さと、コードの取出し位置と端子位置を充分に確認し、業者の方々と打合せする事が大切です。
うっかりすると、いざ家具を配置し、TV等の機器類を接続しようとしても、出来なことになります。特に、シアタールームやオーディオルームなど機器類に拘る場合で、それらを収納家具に据え付ける場合は、注意し対応しましょう。
つい最近、某ケーブルTVに加入する事から、飾り棚の中身を3日かけて片づけ、再度、3日かけ飾りつけをしたのですが、妻の根気強さに感銘致します。
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~★~☆~※ここ迄お読み戴き、大変ありがとうございます※~☆~★~
※一歩ずつ、少しずつ、確実に、貴方の住まい造り計画が前に進み、理想に近づく事を願っています。