人気が高い超高層・大規模開発マンションは、その魅力的な眺望や夜景など建物のみではなく、付帯施設の公園や託児所、スポーツジムなどのその他の施設に大変魅力を感じる場合があり、ついついそちらに気を奪われがちになります。
でも一番大切な事は、日々の暮らしの中心となる住まいの間取りが、貴方が想い描かれる間取りに近いかどうかではないでしょうか?
住まいには、様々な箇所に日々の暮らしのストレスが潜在しています。
人はある程度は、住まいの環境(使い勝手など)に適応する能力を備えています。
でも、許容範囲を超えると、住まい手は様々な暮らしのストレスを感じます。
今回投稿のブログは、ある超高層マンションの既存の間取りとリフォーム後の改装間取りを比較し、どのような暮らし方と考え方が前提となると、間取りの不具合から暮らしのストレスを感じるかをビフォアーとアフターの間取り比較から検証し、間取り計画(基本設計)の重要性をご紹介する間取りの比較シュミレーションのブログです。
【ご注意】(間取り図は、閲覧可能ですが、ダウンロードは出来ません。当方からデータか印刷物で送付致します)
~★~☆~※この度は、藤野貞雄『MY HOME-STYLE住まい設計工房』東京のブログにお立ち寄り戴き、大変ありがとうございます※~☆~★~
・本サイト:藤野貞雄『MY HOME-STYLE 住まい設計工房』東京:のトップページ(ホーム)はこちら
・本サイト運営側詳細は、コンテンツのAbout Us(全8コンテンツ):こちら
・マイホーム計画を始めたい方は、コンテンツの住まい造りの事前準備(全8コンテンツ):こちら
・間取の基本や設備機器など学びたい方はコンテンツの住まいの構成要素(全11コンテンツ):こちら
1.はじめに
多くの方は、今のお住まいの間取りに不自由を感じながらも、何らかの理由から仕方なく暮らしている方が多くあります。また、その不自由な間取りも、人によっては「問題なし」と評価される場合もあります。なぜそのような事になるかは、「お住まいになる方の暮らし方へのご意向が人それぞれで異なる事」に起因します。
しかし、多くの方々が『yahoo!知恵袋』、『教えてgoo』、『住まいの殿堂』などに間取り相談を寄せられる事が後を絶たないのも事実です。
今回ご紹介します内容は、『住まいの中でのある考え方暮らし方を前提とした場合に適切に対応した場合は、このような解決策があります』との提案ブログですので、これから先々に、分譲住宅・マンション購入や一戸建てのご新築やマンションリフォームをされる際のご参考になる一つの考え方となります。
2.既存間取りの主要な問題点候補の検証
- 玄関先に履き替えたサンダルが脱ぎっ放しとなるS.I.C(シューズインクローゼット)は、問題視されますか?
- ご来客の時は、玄関扉を開けてお客様を迎えられますか?その時の履物はどうされますか?
- ご家族共用のトイレは、トイレットパーパーのカットし易さを優先すると、手洗いカウンター脇で便器正面の左手の紙巻器は、どちらかと言えば左利きの方々が使いやすいトイレですが、今、お住まいのトイレ紙巻器の使い勝手と比較し、不都合はありませんか?
- 玄関先のこの位置の共用トイレは、気兼ねなく使えますか?
- 便器正面側から入る共用トイレは、ごく一般的なトイレの配置です。女性の場合、毎回トイレ内で180度回転して利用することになりますが、お好みに合いますか?
- 寝室から扉一枚隔てた、主寝室付属のこの位置のトイレは、入口が開放されていますが、気にせずに使えますか?
- キッチン作業の流れ(冷蔵庫⇒シンク⇒コンロの順が左右どちら回りか好みがある事)は、左廻りですが読者の方々は、右回りと比較して問題ないでしょうか?
- 独立キッチン間口は240㎝ですが、お料理好きの方は、ご満足がいく間口でしょうか?
- 家事の動線を考慮すると要望が多い、キッチンに隣接した洗濯機などユーティリティーが扉で区切られ独立したユーティリティーですが、都度扉を開閉し狭いカウンターで作業する場面は、読者の方々は間取りをご覧になられて使い勝手は、よろしいでしょうか?
- ゆとりの広さの主寝室室内で着替えるタイプクローゼットですが、ご夫婦ともにお出かけの際は、ご主人様が先に着替えられ、その後に奥様は寝室内で着替えられますか?それとも同時に着替えられますか?
※図面中の○内の数値と上記コメントの数値は関係ありません。
▼既存間取り
3.ご提案間取りの主要な解決策
- S.I.Cは、出入口を別に設け2ウェイとし玄関先にサンダル等が脱ぎっ放しとならないよう改善します。勿論、ご来客時でも玄関を裸足で歩く必要はありません。
- 住まわれる方の暮らしを楽しむ要素として、玄関先に飾付けのコーナーを設置します。
- ご家族やご来客が使用するトイレは、住まい内部の配置を見直し、落ち着いて使用可能な位置にレイアウトし、更に、出入時の事故防止を考慮し、扉は内開きとします。(トイレ内部の緊急時の事故対応は、扉を細工し対応します)
- トイレの入室は、便器側面からとし便器を眺めて入るトイレではなく、化粧鏡を見ながら入るトイレとしワンランク上のレストルーム(パウダールーム的トイレ)を実現します。
- 主寝室専用の水廻りは、トイレ扉を設置し遮音性を高め、更にシャワールームは使いやすい少し大きめのタイプを設置し使い勝手を改善します。トイレは女性の利用を考慮した手洗器付とし気兼ねなく利用可能です。
- 主寝室内のクローゼットは、ご夫婦の同時使用や奥様の着替えを配慮し、内部で着替え可能なW.I.C(ウォークインクローゼット)とします。少しお部屋が狭くなった分、リビング側に30㎝程拡張しヘッドボード代わりの飾棚とし、リビング側はTVボードを配置します。
- キッチン間口270㎝の対面式としても使用可能なセミオープン形式のキッチンにし、料理メニューなどに応じて、独立キッチンとして利用可能な形態です。キッチン背面には、間口270㎝のカウンター式の食器棚を採用し、家電製品置き場や作業カウンターとして利用可能です。
- キッチン前は、カウンターとし、バーカウンターや孤食(家族一緒の食事が出来ない場合の個々の食事)に対応可能です。
- 冷蔵庫をダイニングやリビングからでも使いやすいようにキッチン入口に配置し使い勝手を図りますがシンクまで振り向いて二歩の距離と少し離れます。
- ツインボールの洗面室は、新たに奥行き30㎝の化粧専用のカウンターを設置し、腰掛けた状態で、肘を着いたまま化粧できるようにしています。
- 納戸は、自由に物の出し入れが可能なよう、引戸に鏡付きとし、トイレ利用時や外出時の衣類の確認が出来ます。廊下一面の収納庫の扉の鏡とあわせて、空間の広さを演出する工夫も図ります。
- ユーティリティーは、目隠し程度の間仕切りでコーナーとし、都度、扉を開閉する手間を無くします。
▼提案間取り
4.まとめ
既存の間取りに関する『問題点候補の検証』や『ご提案間取りの主要な解決策』は、ブログ読者の皆様個々にその評価はまちまちです。
当然の事、住まいに関する暮らし方や考え方は全く同じ方々などは、ほとんどありません。
住まい造りの作業の中では、お住いになる方々の住まいに関するご要望を確認する事は当然、重要ですが、更には、住まう方々が気が付かれない状況を、『住まいの暮らし方とご家族調書』を事前に客観的立場でご記入いただき、住まわれる方々の実態に即した住まいのご提案をすることが建築設計士の必要な役割となります。
住まう方の考え方や今までの生活習慣などの違いから、様々な答えが出てきます。重要な事は、許容を越えるストレスとなる間取は、譲歩せずに改善される事が必要なのです。
※間取造りは、住む方のストレスを軽減もし、逆に増幅もします。
読者の方々の意向を確実にとらえて、適切に間取り図に反映できる良きマートナー建築士に巡り会えます事をお祈りいたします。
※マンションリフォーム、一戸建て新築・リフォームのご相談メニューはこちら
~★~☆~※ここ迄お読み戴き、大変ありがとうございます※~☆~★~
※一歩ずつ、少しずつ、確実に、貴方の住まい造り計画が前に進み、理想に近づく事を願っています。
- 投稿タグ
- マンションリフォーム, 住まい設計講座, 間取り相談